クリーンエネルギーとして注目されている太陽電池の研究を40年続けています。


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  近年、環境問題への関心の高まり、政府や地方自治体による補助制度などの追い風もあり太陽電池の需要が急速に伸びています。様々な太陽電池の種類がある中で、多結晶Si太陽電池が太陽電池生産の大半を占めています。しかしながら、太陽電池の需要がこのまま伸び続けると多結晶太陽電池の生産は、材料である太陽電池グレードのSiが不足し、供給が追いつかなくなるという状況が起こります。そこで、Siの使用量を減らすために多結晶Si基板の薄型化が必要となります。基板が薄型化すると取り回しが難しくなり、従来のプロセス技術では太陽電池の作製が困難になります。そこで、私たちのグループでは基板の薄型化に対応する新技術開発とそれを用いた太陽電池の作製を行っています。

①プラズマCVDによる新しいパッシベーション膜の開発

image8.gif多結晶Si基板を薄型化した際、Si基板裏面の欠陥の影響が無視できなくなるため、図1に示すように従来の表面パッシベーション膜(a-SiN:H膜)に加えて、裏面パッシベーション膜の導入が必要となります。表面パッシベーション膜はn型層側に付けるのに対して、裏面パッシベーション膜はp型層側に付けるため、p型層に特化した膜を開発しなければなりません。我々は、これまでにa-SiO:H膜とa-Al1-xOx膜の開発を行い、裏面パッシベーション膜として有望であることを見出しました。さらに、p型微結晶SiO:H膜が高い導電性を有するパッシベーション膜として利用可能であるという知見を得ております。現在はこれらの膜を太陽電池に応用するプロセス技術を検討しています。


② 低周波水素プラズマを用いたバルクパッシベーション技術の開発

image9.gif多結晶Si太陽電池は単結晶Si太陽電池に比べて原料コストが安いというメリットがありますが、多くの粒界を有しているため、バルク中の欠陥が原因となり単結晶Si太陽電池ほどの発電効率は見込めません。そこで、多結晶Si基板中の欠陥を低減するために、図2に示すようにプラズマで水素原子を打ち込むことでこれらの欠陥を埋め、バルクの質の向上を目指しています。


使用している装置

image10.gifMVシステム製の真空装置を使用しています(図3)。中央のロボットチャンバーに4つの製膜チャンバーが繋がっており、ロボットアームによって基板を搬送することが出来ます。